現在32歳の私がオンラインカジノを始めたのは27歳の頃でした。
当時、私は仕事も多忙で寝る間も無く働いており、しかも職場がブラック企業で精神的に病んでいました。職場では、セクハラ、パワハラは当たり前、労働時間は一日に11時間、酷い時には14時間になることもあり、帰宅が午前様になってしまうことなどしょっちゅうありました。
そんな働き方にストレスを感じていたこともあり、ちょっとした空き時間に携帯でゲームをよくしていました。その頃やっていたのは、無料で楽しめるオンラインゲームで、初めはゲームごときに課金するなど考えたこともありませんでした。
そして、仕事の多忙さに嫌気がさし、とうとう私は転職を決意しました。転職先が無事に決まり、それまでの職場とは違い、サービス残業や上司等からの圧力も無い良い環境の会社に移ることが出来ました。
無事、新しい仕事が始まって、前職よりストレスを感じずに働くことが出来ていた私ですが、なぜかオンラインゲームは続けていました。
何か一つの習慣のようになってしまったのか、通勤時間や会社のランチタイム等の空き時間には必ずやていました。そして、どんどん癖になり、それまではやっていなかった夜の就寝前、朝起床してすぐにもやるようになりました。
私のゲーム熱は更に加速し、とうとう課金までするようになりました。しかし、課金する度に「ゲームは課金したらお金が消えていくだけ。課金することで何か得することがあれば良いのに」と感じていました。
そんな時にオンラインカジノのサイトを見て、試してみようと思いました。課金して、利益の出ないことがあるにしても、利益が出る可能性があるだけただのゲームよりやる価値があるように感じたからです。
そして、初めてオンラインカジノをプレイしてみました。見た目はパチンコ店等のスロットのようなもので、操作は簡単で「同じ数字が揃えば当たり」というシンプルなシステムのものでした。
やってみると、始めて10回目くらいで当たりが出ました。
普通のパチンコやスロットではそう簡単に当たりは出ないと聞いていたので、オンラインカジノで利益が出る確率をネットで調べてみたところ、オンラインカジノの場合かなりの高確率で利益が出ると書かれている記事を読みました。
利益が出易いならと思い、私はその日のうちに何度もオンラインカジノをプレイしました。
それからというもの、私は携帯ゲームより断然オンラインカジノ派になり、頻繁にやるようになりました。
勝つことも多く、利益が出るのが嬉しくて課金額はどんどん増えていきました。気がつくと、オンラインカジノの掛け金だけで一日に2万円使ってしまうこともありました。
内心、自分がギャンブル依存症になりつつあるのではと心配していましたが、それでも賭けに勝った時の喜びを忘れられず、続けてしまっていました。
課金額が大きくなるにつれ、貯金も切り崩すようになっていましたが、負けが出ると「次に大きい額を賭けて勝てたら取り戻せる」という考えで、課金額が減ることはありませんでした。
勝ちはそこそこ出ていたものの、課金額が増えたことで、結局利益はマイナスになっていました。
また、課金が手軽で簡単に出来るシステムであったことも、オンラインカジノにはまってしまう原因でした。
そして、とうとう貯金がほぼ底をつき、クレジットカードの支払いが出来なくなった時に「これはオンラインカジノを止めなくては」と、ようやく危機感を持つようになりました。
しかし、朝から晩まで、暇さえあればオンラインカジノをする生活が1年以上続いていた私には、オンラインカジノを完全にやめるのはかなり苦しいことでした。
オンラインカジノを断っていると、携帯画面に映るあのカラフルなスロットの映像や、勝ちが出た時の音等、全てのことが恋しくて堪らず、「もう一回だけやりたい」という衝動を抑えるのが大変でした。
オンラインカジノをプレイしないことが大きなストレスになり、甘い物にはしって1ヵ月で5キロ増えてしまったこともあります。
そんな自分の精神状態に不安を感じ、私はストレス発散に何か趣味を作ろう思いました。
とはいっても、貯金がほとんど無くなってしまったので、お金のかからない趣味に限定されました。
ウインドウショッピングや習い事、ジム等はお金の消費に繋がるので却下し、自分でお金をかけずに出来る運動をすることにしました。
ひとまず、ウォーキングから始めた私は、オンラインカジノをやりたくなる時間に音楽を聴きながら家の周辺でウォーキングをするようになりました。
すると、運動後に浴びるシャワーの気持ち良さや、体が引き締まっていくことが楽しみになり、徐々にウォーキングをする習慣が身に付いてきました。
そして、オンラインカジノをやらない生活にも慣れていったのです。
結局オンラインカジノのことを全く考えなくなったのは、オンラインカジノ断ちをしてから1年後のことで、中毒症状から抜け出すまでに結構な時間がかかりました。
賭けで失った時間やお金はありましたが高い授業料になったと思い、それからというもの、のめり込むものを間違えてはいけないと気をつけるようになりました。